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和釘

企画開発本部 工務の山下です。

私は今年、宮崎県ヘリテージマネージャー養成講座に参加しています。

この講習はこれから日本中で改修が必要になる登録文化財の建築物の改修技術、そしてその活用方法についての十分な知識をもった建築士を養成するために設けられたもので、宮崎での養成講座は今年が2年目になります。

7月10日現在で既に3回の講座が開催されましたが、知らないことだらけで毎回びっくりしています。

下の写真は、昔の和釘です。巻頭釘というもので寛永16年と紙には書いてありました。

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寛永は1624年から1645年なので、この釘は1639年製?ということになると思います。

実に370年以上も前に作られ、使用された釘です。

 現在、一般的に使用されている釘は洋釘というもので、このような角ではなく、丸い形状で釘の太さは先と頭以外は同じですが、和釘は先と頭がテーパー形状になっているため、洋釘よりも強く、錆にくいということで現在でも古式建築の現場では使用されているようです。

 改修時に必要なのは、こうした釘一本でもスケッチを行い、使用箇所や寸法の記録をすべてとらなければならないということでした。また、スケッチ=手書きで図面や納まりを書くことが何よりも重要だということでした。考えると気が遠くなりそうです。

薬師寺東塔が現在解体修理中ですが、修理完了まであと4年(平成21年着工)かかるということが納得できました。

この講座は全15回で残り12回あります。毎講座出席するのは大変ですが、木造だけでなく、これから増えていく鉄筋コンクリート造、鉄骨造の価値ある建築物の改修技術をしっかりと身につけ、温故知新の精神で社会に貢献できるようこれからも頑張ります!

— posted by 吉原建設 at 09:14 am  

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