8月14日お盆の最中、ユネスコのエコパークに登録された綾の照葉樹林を実感
しようと思い立ち、照葉大吊橋に出かけてみた。
橋はさすがに人でいっぱいだったが、なんとか中ほどまで進んでカメラのシャッ
ターを押した。森はどこまでも深く底を流れる一筋の渓流は遠い。麓の方では
晴れていた天候も山の頂から雨に煙り、下手な腕では思ったような写真は取
れなかった。それにしても私は元来、大の高所恐怖症である。このゆらゆら
揺れる橋の上で平気でカメラを傾けていられるのが不思議であった。
台風のさなかハシゴに登り又雪かきに屋根に上がって、転落する高齢者の
事故をよく耳にする。年を取ると時間が短く感じるとはジャネーの法則だが、
どうも年を取ると高所恐怖症が無くなるのではないのだろうか、いやいやこれ
は綾での新発見かもしれない。吊橋の復路ではとうとう雨に打たれてびしょ
濡れになったが、傘など準備しない私にとっては、カメラを抱えるのが精一
杯、十分自然を味わった。
正寿の杜 千知岩
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