前回、アコースティックギターの背板、側板について書きました。
今回は表板について書いてみたいと思います。
アコギのトップ材として定番の素材と言えばスプルース、特にシトカスプルースが有名です。シトカスプルースはアラスカ、カナダ、アメリカ北部が主な産地で、アラスカにあるシトカ市が名前の由来らしいです。

比較的硬い響きが有りアコギに使われると歯切れのいい音質となります。建築では2×4住宅の構造材、スプルース(S)パイン(P)ファー(F)からなるSPF材にも利用されています。
その他には、イングルマンスプルース、ヨーロピアンスプルース(ジャーマンスプルース)、イタリアンアルパインスプルース、アディロンダックスプルースなどがよく使われる材料です。
その中でも、アディロンダックスプルースは、昔航空機の主翼の骨格材に使われていたということで、非常に剛性の強い木材です。
アメリカ東部アパラチア山脈周辺(ニューヨーク州アディロンダック)が産地で、レッドスプルースとも呼ばれています。現在では希少な材ですが良質な材は入手困難で、主に高級ギターに使用されています。
しかし、最近はアディロンをトップに使った仕様なのに、思ったように鳴らないギターが多いとのことです。実際、ネットなどで検索しても目の大きい材を使ったギターが多いようです。目の詰まった材はもう無いのかもしれません。

又、ペンシルベニアというアメリカ東部に本拠地を置くM社にとって、アディロンダックスプルースという木材は、材の調達に都合のよい木材でした。
しかし、いろいろな用途で大量に伐採された結果、枯渇したということです。
音質は、スケールの大きな鳴りを感じさせる素材で、ビンテージM社のギターに使われていたことで有名です。D-28については1946年からシトカスプルースに仕様変更されたとのことです。いずれにしても、100年もたたないうちにアディロンダックスプルースは高級木材となりました。
消費だけではなく、植樹など資源保護にも力を入れていかなければならない時代だと思います。

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