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軍艦島上陸

 以前、連休中に長崎県の軍艦島に行ってきました。

軍艦島とは、長崎県の高島町にある端島という島の俗名です。戦艦土佐に島影が似ていることから名付けられたといいます。場所は、長崎(野母)半島の北西、長崎港から約18kmの海上にあります。

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 ほんとうに軍艦みたいな形です!

 明治23年から三菱の経営で製鉄用原料炭を供給してきた海底炭鉱の島です。軍艦島は幅160m、長さ480mという小さな島ですが、最盛期にはなんと5000人を越える人口を数え、当時の東京の人口密度の9倍の人が島内にひしめき合っていました。島の半分は鉱場であり居住地はとても狭かったのです。その為か大正5年に日本で最初の鉄筋コンクリート造高層アパートが建設され、以降続々と高層アパートが建設されました。その結果、軍艦島特有の特異な建築物密集空間が造り出されたのです。小中学校、共同販売所、映画館、料理屋、娯楽場、病院、神社などあらゆる施設があり小さな島に無いのは火葬場ぐらいでした。居住地は狭いながらもとても便利で住み心地は良く、雨が降っても建物がつながっているので雨に濡れることなく島の端から端まで歩いて行けたそうです。

 エネルギー合理化の波にのまれ昭和49年に炭鉱は閉山し軍艦島は一拳に無人化したのです。後には昔の名残の高層建築群が残されました。

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今、軍艦島に行くには上陸ツアーがあります。長崎港より島への上陸時間を含めて約170分のツアーです。

しかしながら、島の位置は外海に面していて波が高いことが多く、上陸できるかどうかはその時の天候次第で運に左右されます。浮き桟橋の設備がないので波が高いと危険を伴い船が接岸できません。その結果、上陸できなくなってしまいます。せっかく行っても波が荒いと船上から遠目に島を見るだけで帰ってくることもあり得る訳です。幸い日頃の行いが良いのか、私達家族は運良く喜びと感動の上陸ができました。

船着場からの様子です。波は穏やかでした。

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 船着場から通路が整備されています。

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 上陸して集合の様子です。奥のほうに7階建ての小中学校が見えます。みんな早く見学したいようで落ち着きません。

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 高台に高架貯水槽が見えます。水道もしっかり整備されていたそうです。

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 だけど真水は当然貴重だったみたいです。炭鉱で労働し真っ黒に汚れた体で地上に上がってきた作業員は、先ず海水で沸かしたお風呂に何回も入って炭鉱の汚れを落とし、最後の仕上げに真水のお風呂に入ったそうです。その為、浴場跡に何槽もの浴槽が並んでいました。また、プールもありましたが当然プールの水は海水を使っていたそうです。

 鉱場建物群跡です。かなり朽ち果ててきています。

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 最後に30号棟です。

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 1916年(大正5年)に建てられた日本で最初の鉄筋コンクリート造7階建て(地下1階)の共同住宅です。96年前にこの建物を建てる技術がすでに日本にあったとは建築現場施工管理をしていた私にとっては驚きです。まだしっかりと建っています。

 上陸ツアーに参加して家族皆ですばらしい体験ができました。同行したツアーのボランティアガイドさんも詳しく説明・案内してくれてとても親切でした。皆さんも機会があれば行かれてはどうでしょう。ほんとうに軍艦島は、世界遺産に登録されてもおかしくない、先人の遺産だと思いました。

                     本店工事準備部 青石でした

— posted by 吉原建設 at 08:40 am  

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